初めて練習はボックス?


メンバーが集まったら早速練習だ。

趣味なのだから適当でいい。集まって音を出して楽しければそれでいい。
とはいえ、いつか人前で披露しようというのなら、やはりクオリティは上げていきたいところだ。

ところが「クオリティをあげる」という時点で、いきなり聴く人と演奏する側でギャップが生じてしまう。聴く人のほぼ八割はいわゆるシロートだ。マーケティング的に言えば最も大事な層がこのシロートなのだ。たとえば多少なりとも音楽をかじったことがあるとか、現役の音楽家だという人だけが聴衆を占めることはまずない。これが祭りやパーティとなればなおさらなのである。「わかるひとだけわかってくれればいい」などという人がいるが、そのためには「わかる人」をまず探さなければいけない。そういう人に出会えて、しかもライブのたびに来てくれるような人を、各地に会場を埋めるほど毎回集めるのはほぼ不可能なのだ。それにそもそも「わかるひとだけわかってくれればいい」のならそうでない人を呼ぶのは失礼な話しだ。

ではシロートは何を聞くのか?卓越したアンサンブルか、超絶技巧のギターソロか、流れるようなドラムフィルか?
どれも違う。まず間違いなくボーカルとコーラスワークなのだ(インスト系除く)。

だがそれを活かすのは機械のようなバックの演奏だ。「機械のような」というと語弊があるかもしれないが、ボーカルとコーラスワークが生きるためにはそれほどに「息があった伴奏」、俗にいう「粒のそろった音符の羅列」が必要なのだ。

色んなバンドを見るけども、この一番点数を稼げるコーラスワークと、息の合った演奏をやらないアマチュアバンドがかなり多い。これは受験生が大事な試験の日に難しい問題に時間をかけすぎて、簡単な問題を結局時間切れでやれないパターンと似ている。

ぶっちゃけていうと、プレイヤー個人が自分の演奏力を高めたければ自宅で飽きるまで練習すればいいが、バンドの総合力はそうはいかない。コーラスワークと「粒のそろった音符の羅列」はやはり集まって練習しないといけない。

ここで大事なのは誰がコーラスを担当するのか、という点だ。通常はリズム隊は避ける。ベーシスト、ドラマー、パーカッショニストなどは、リズムワークが命なので、そこに歌うという作業を追加するのはかなり厳しい。必然的にギタリスト、キーボーディストがそれを担当するのが望ましいし、クオリティを上げるのに手っ取り早い。

もっと理想的なのはコーラス専任がいることだが、田舎ではなかなかそうもいかないし、バンドメンバーはむやみに増えないほうがいい。メンバー数の多いバンドのデメリットは、まず集まりにくいという点。それぞれが様々な職業で家庭もあったりすると、当然練習日は減る。さらにステージの広さがネックになる。狭いステージになると楽器がぶつかったりもするし、直立不動で演奏したりすると見ている方もツラいし面白くない。

なので、候補曲を決めるときに、まずはコーラス担当が歌ってみるという練習から入ると選曲ミスにつながりにくい。雰囲気だけで「あれやりたい」「これやりたい」と適当に選んで、スタジオに入ったはいいが、誰もコーラスをやりたがらず、結局そこをないがしろにして、実際にライブでやるとやはりクオリティの低さに自ら落ち込む、というデフレスパイラルだ。

さて次に大事なのは「粒のそろった音符の羅列」。超絶技巧ソロや複雑なリズムなどなくとも、リズムの粒が揃っているとそれだけでバンドのレベルはもう80点を達成できる。少なくとも8割のお客さんは喜んでくれる。

それぞれの技量はあっても、ベースとドラムがズレているだけでもうすでにマイナス80点なのだ。なので、スタジオに入ったらまずドラマーだけで一曲通す。次にベースが入って繰り返す。というのが理想だが、まぁなかなかやんないだろうから、ベースとドラムだけで事前にスタジオ入ることをオススメする。一方でそれ以外のパートはカラオケボックスに行ってコーラスワークをやるといい。残念ながらギタリストやキーボーディストが自身の楽器に触るのは少し先になるが・・・。

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