春到来/吉井千周


3月末ともなると卒業式シーズンも一段落ついて、次のステージに進むために一段落、といったところでしょうか。都城圏域は、3月下旬には桜も満開はとっくに終えて、散りきってしまうというそんな季節ですね。

すでに卒業ソングの季節は終わり、春の音楽へと変わっていきます。
春らしく、、、元気な曲といきたいところでもありますが、4月からもやっぱり仕事に追われ、息苦しい生き方をしてしまいそうです。

ともあれ、春を「そのままのダメなわたくし」で生きていくために、筋肉少女帯の「踊るダメ人間」でも聴いて、自己肯定力を上げたいと思います。

・筋肉少女帯 – 踊るダメ人間 [LIVE] (Kinnikusyoujotai – Odorudameningen [LIVE])

さて、桜咲くこの季節は、もう100年ぐらいは忘れられない「3/11」の東北大震災の話題があります。「A Song for Japan」などトロンボーン用に作曲された曲もあり、またNHKの復興ソングとして「花は咲く」もこの季節はよく流れてきます。今年、Youtubeにアップロードされたトロンボーンデュオの「花は咲く」は、震災当時小学生だった東京藝大在学中の二人による演奏。11年が過ぎて「花は咲く」というこの曲がそれぞれに歌詞が解されていろんな形で歌い継がれていく中で、歌詞のない演奏は、聞き手の持つ様々な「歌詞の重さ」を逆に強く感じさせてくれるようにも思います。

・【3.11】花は咲く ~東北出身トロンボーン吹き2人による~ Hana wa Saku “Flowers will bloom”


さて「明るい雰囲気」で、新学期を迎えたいとは思うものの、この数ヶ月トップニュースになりつづけたウクライナの子ども達が苦しむ映像を様々な形で見ていて辛い思いをしているのは、きっと僕だけではないはず。今年はウクライナの事も心に留めておいて新学期を迎えたい。
このタイミングでスティングが「Russians」(1985)のライブを公開している。この曲が発表された1985年、僕は中学一年生でスティングのことはもちろん知らず、深夜にやっていたMTVの白黒のPVでなんとなく耳にした程度だった。大学院生になって、スティング好きの友人に教えてもらい、少しはスティングを聴くようになったのだけれど、その世界観が僕には神々しくて、若いときにはあまり近づけなかった。残念ながら、現状はスティングが歌っていた1985年よりも深刻で、50歳前になってその意味がわかるようになった。

今年の春が、どういう形でみなさん(や震災避難者やウクライナの人々)のところに来るのかわかりません。「踊るダメ人間」の僕も、少し静かに音楽と共に春を迎えられれば良いなぁ、と思います。

さて、この「まちおん」の連載も今回が25回目なんですが、一通りお話ししたいことを話し終えたので、しばし小休憩とさせて頂きます。
コロナ禍の中、「地方で音楽を続けること」を文字ベースで残そうという狂さんのアイデアに賛同する形で書き連ねてきましたが、自分でも多くの発見があった連載でした。また、自分の知識の浅さが目立ち、面白い題をさばききれなかったことも反省ばかりです。狂さん、スイマセン。
ただ(それが良いことなのかどうかは別として)「コロナ禍」もどうやら行政的には一段落つきそうですし、今度はできればまちおんのステージでプレイヤーの一人としてお会いできれば光栄です。どうか皆様その日までお元気で。