東ユージの渾身の一枚


佐野元春、Heart beat。高校2年の時だったと思う。深夜のラジオで流れたNight Lifeという曲に、なんと軽快な曲なんだ!歌詞の内容もチャラいし、面白い人が出て来たなと数日後レコード屋へ。

このアルバムが当たり!だった。ほんとによく聴いた。ロックンロールと言いながらもシャウトしまくる訳でもなく、バラードと言っても感情こめて歌い上げる事もなく、すべてにほどよく力がぬけていた。

そんな時代だったのかもしれない。昭和の最後の方、景気も良く将来的な不安もそんなにない、みたいな風潮に合っていたのかな? その後佐野先生はスプリングスティーンにかぶれたり、コステロにかぶれたり、ヒップホップの洗礼を受けたりして、その時々でさまざまな音楽を生み出して来た。

アーティストは3作目までがオリジナルで、後は自分の模倣をしてるだけだと言う人もいるが、これはまさに2作目で佐野元春のオリジナル、個性や卓越したポップセンスを感じられる一枚だと思う。 10代の頃に聴いたからかもしれないが、衝撃的だった。

今でも夜店でひとり「バルセロナの夜」とか聴いてると、あーいいなぁバルセロナ行きたいよね。(行った事ないけど)とか思ってしまう。 で、タイトルチューンのHeart beatって曲はロックンロールかと思いきや、さにあらず!な、にくい演出もあったりする。 その後の日本のロックやポップスに大きな流れを作り出したとも言える一枚。

音量上げて聴こうぜ! …ダミ声じゃないけど。