私のイチオシメロディメイカー/東ユージ


ジャズだろうがロックだろうが何のジャンルにしても、音楽的にメロディはもう出尽くしていて、全く新しい旋律というのは生まれない。と言われて久しい。

あとはその既存のメロディのピースをどう組み合わせるか?しか残されていないという。

だから、どっかで聴いたようなメロディの歌が山ほどあるのだろうと思うが、曲を作る人にとっては頭の中から湧いてくるメロディはその瞬間自分のオリジナルでしかない。

が、後で冷静になってみると、アレに似てたなぁとかはよくある話。 そんな事意にも介さず、俺は作曲活動してるんだ!と突っ走るひとが沢山いて、その中の一握りが世の中でミュージシャンと認められていくのであった。

勘違いして周りから見ても痛々しい(本人は気持ちよさそうなのがさらに見るモノの痛みを増す)お方も各地方1人か2人はいらっしゃるが、そういう輩はかまうとさらに調子に乗ったりするのでほっとくに限る。

この町にもオリジナル作って歌ってる人は何人もいる。♪テンテントピンピンと張ってー!ぼーくのターケノコテントー!、なんて歌詞読むだけでメロディまで聞こえてきそうなイクメンバンドとか、♪焚き火ライブ水辺のステージ、ジ、ジ、ジ、クソジジぃ!なんて作詞作曲と言うよりもうパンク!なヒーローズとか。♪ほーぉーせーぇ〜んかのようなひーとー、とよく通る綺麗な声で歌い上げるおいたとものりとか、面白い歌い手がそこそこいるので、パンデミックおさまった宣言出たらまたライブ聴きに来てね。

さて、周りにいる訳ではないのだがうちの店でもライブしてくれた矢野絢子(やのじゅんこ)という高知のシンガーがいる。ヤノアキコではない。

矢野絢子 てろてろ

初めて会ったのはもう20年くらい前かもしれない。まだ小娘だった矢野絢子は、ピアノをガン!と弾いて聞くものを魅了する声量で朗々とうたう。喉も張り裂けよとがなり叫ぶのではなく、どこまでもとどいて行くような伸びのある歌声! 時にはフォークシンガーのように切々とやさしく語るように、反面激しい曲では叩きつけるように言葉を吐き出す。

初めて会ったその日、オレは小娘に圧倒された。月日は流れて小娘は母親になり、でもずっと歌い続けていて歌はさらに凄みを増す。 うちの店にアップライトのピアノがやって来た時、これで矢野絢子を迎え入れる準備ができたと思った。

「絢’s Room」『春の大感謝祭!リクエストライヴ』アーカイブ

で、念願かなってライブもしてもらった。一昨年の事…やっぱり生で聴くと鳥肌が立つ。そこでずっと歌っててくれ!と2回もアンコールしてしまった。マイクなんていらないんじゃないかとさえ思う。

YouTubeとかでも充分この人の歌は伝わると思うので、ぜひ体験してみてちょうだい。今は配信と近場のライブが多いけど、そろそろ旅の準備してくれてるんじゃないかな?またうちの店にも寄って下さいよ。