狂咲 狂が音楽に触れようと思った衝撃のミュージシャン


 僕は小学校、中学校と音楽の授業が大嫌いで、できればサボリたいと思っていました。そんな僕がオヤジのスチール弦を張ったガットギターを触ろうと思ったのは前回書いたディープパープルだったのですが、スモーク・オン・ザ・ウォーターのリフで満足してしまっていました。
 そんな僕がどうしてもエレキギターを欲しいと思ったのは、ドイツ人ギタリスト、マイケルシェンカーを聞いた時です。アームもなく座っては弾きにくいフライングVというギターを白黒のツートーンに塗り替え、股に挟んで引くスタイルも衝撃的でしたが、はやりのトリッキーなプレイや超絶速弾きではない、かつ繊細で物悲しくも華麗なメロディーに圧倒されたのでした。

 僕がちょうど高校に上がるころ、マイケルシェンカーは自身のバンドをデビューさせます。それがマイケルシェンカー・グループ(以下MSG)で、『神』というミニアルバム(当時は12インチシングルと呼んでいた。)を発表します。金額は千円台だったと思います。もしこれがフルアルバムだったら買えてなかったかもしれず、僕の音楽人生はたぶん変わっていたかもしれません。

 このミニアルバムは三曲入りで、Armed and Ready、Cry for the nations、Into the arenaが収録されていました。 Armed and Ready はLazyが、Into hte arenaについては、B’zの松本孝弘もカバーしているのでご存じの方も多いかも。ちなみにドラムスのサイモン・フィリップスはなんと2016年に都城のMJホールに上原ひろみのバックで来ています。残念ながら行きませんでしたが…

 さらにマイケルシェンカーには悲劇が付きまとうという運命があって、それが彼の孤高のイメージを増幅させます。まぁそのへんに興味がある方は調べてもらうとして、いったい何がそんなに衝撃的かというと、やはりハードロックという以上はハードでなくてはならず、ハードでかつ繊細なメロディーを両立させるのはかなり厳しいのに、彼はやってしまうのです。僕の中ではハードロック史上最高のメロディメーカーだと思っています。

 1981年、彼らは初来日し、忘れもしない8月18日に福岡サンパレスに来ます。なんとその前日には同じ会場にレインボーが来るという豪華な2DAYS。この二日間を僕は友人と二人で、学校の補習授業をぶっちぎって堪能したのです。しかもついこないだまでレインボーにいたドラムの故コージーパウエルは、MSGのメンバーとして来ているという、とても皮肉なラインナップでした(この時前列から三列目にいた僕たちですが、友人はコージーの折れたスティックが飛んできて、怪我しつつも掴んだという勇敢な奴でした)。

 長くなりそうなのでこの辺にしときますが、最後に動画を張っときます。僕が一番好きな曲でマイケルのUFO時代の名曲Doctor,Doctorです。この曲はあのアイアンメイデンがオープニングSEに使っていることでも有名ですが、とにかくピアノからバラードチックに始まり激情の爆発的イントロがクセになります。

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