本命チョコ、もらった瞬間に脳内で流れた曲とは?/狂咲 狂


バレンタインデー。元々の意味を無視し、日本の製菓会社が勝手に作り上げた習慣も、いまや定着どころか独自の変化を遂げて、少々わかりづらくもなっている。習慣化されて以降、お中元やお歳暮レベルにまで発展すると当然「義理チョコ」という考え方が生まれ、必然的に「本命チョコ」という言葉も生まれざるを得なくなる。

いずれにしても僕自身、悲喜こもごもの経験は多数あるが、やはり「本命チョコ」をもらえた時の感激というのはそれはそれは嬉しいものだ。ましてやそれが初めてだった時は、驚きや不安などもあるものだ。

そんな時、脳内ではどんな曲が流れるのだろうか?

たとえばチャゲ&飛鳥の「Say,Yes」などはドラマのヒットもあってか、感激と驚きを表す典型的な起用曲になっているのかもしれない。イントロからしてバーンと入るから突然感もあり演出効果は満点だが、ある意味ドラマなどに感化されて相当なバイアスがかかっているのは否めない。

ともあれ回顧してみた。実際その時に何が流れたかはわからんけども、思い出しながら映像にBGMつけるなら、って観点で。

https://www.youtube.com/watch?v=r0xs2ZOvx8c
Scorpions – Blackout – 1982

ジャーマンメタルの祖、スコーピオンズの8枚目のタイトル曲でもあるこの曲は、スコーピオンズ作品としては「カロンの渡し守」以来の衝撃を受けた曲。カッティングのカッコ良さが際立つこのイントロは、驚きと一瞬硬直してしまうほどのショックを表すのにうってつけかな、と。まさにブラックアウトしそうな状況を演出できる。

あれは受験の真っただ中の15歳、当時好きな子はいたが、遠い存在だった。
こともあろうにその子の一番の親友の子から突然渡され、ブラックアウトした。

感激もあったが戸惑いの方が大きく、いったいどうしていいのかわからなくなったものだ。受験もあり、その子とは別々の高校に進んだこともあって結局何も起きなかった。しかも僕は高校入学早々、本命に告白して撃沈していた。

まぁいろいろとあるわけだが、クリスチャンでもないのにバレンタインとかクリスマスを祝う…というより行事、イベントとして扱う厚顔無恥な日本人の独特(小賢しさ満点)な文化も、これだけ浸透するともはや信仰とか無関係で、男女にとっては(むしろ今はそれも関係ないかもしれない)年に一度の運命の日(の人もいるかもしれない)、そこにはそれぞれの曲が流れているのだろう。