東ユージの渾身の一枚その③


榊原郁恵が好きだった。このアルバムをよく聞いた中学時代はまだよく音楽の事とかわかってなかったと思うが、家のラジカセでずーっとかけていた。

昭和のアイドルのバックは、なぜかギターソロが歪んでていい音してる。まだみんな生音をバンドで録音してた時代、うたも多少音程外しても致し方なし!な作りだった。コンピュータで補正したり、演奏を打ち込んだりがなかった時代のレコードの音は演奏する者の息づかいまで聴こえて来るような気がした。いや実際ブレスのはぁーって音も全部聴こえてたんだが、そんな事言っても分かってもらえないよね。

郁恵ちゃんといえば、夏のお嬢さんがヒットしてそのイメージが強く、健康的で元気な女の子って感じだったが、後半は割とスローな曲もあったりしてファンはそこらへんがなかなか売れないのが歯痒かった! ラブリーポップは夏の…以前の作品で、その後の郁恵ちゃんの方向性を決定づけた一枚だと思っているのは私だけかもしれない。

もうカセットテープは何処かへ行ってしまったので聴くことも出来ないけど、たまーにこの中の曲が頭の中を横切ったりする。多感な頃に刷り込まれた記憶って怖いね。 LPがどっかに売ってたりすると、うっかり買っちゃいそうな一枚ですな。 この後好きなアイドルは堀ちえみへと変わるんだが、その話はしないと思う。たぶん。