身近にいるイチオシアーティスト/東ユージ


去年の1月に亡くなった日倉士 歳朗(ヒグラシトシロウ)さんのことを。

スライドギターの名手で優しさあふれる愛すべき酔っぱらい。スライドギターと言えばブルースなんだけど、日倉士さんはその枠にとらわれないミュージシャンで、ワールドミュージックというかゴスペルなんかもやっちゃう方でした。 あまりにもマニアックで、なかなか理解されないもどかしさもあったりしたねぇ。

海風ってアルバム出した時に、海辺の銀河亭でそれを流しながらライブの打ち上げをやってたんだけど、「こういうシチュエーションでこのCD聴きたかったんだよー!」って喜んでくれた。 ギターもさることながら、歌声も独特で腹の底に沁みるちょっとダミ声な低音ボーカルは唯一無二だった。ライブのMCも照れながらその低い声で「俺のライバル、エリッククラプトンには絶対歌えない…日本語のクロスロードブルースをやります!」なんて、笑わしてくれたっけ。

もっともっと活躍して、日本中にその歌とギターの音を届けて欲しかったのに2021年1月に旅立ってしまった!今でもその事を思うと涙が出て仕方がない。突然電話がかかって来て、「3月に鹿屋行っていい?泊めてくれる??」言ってくれそうな気がする。 本当に素晴らしいミュージシャンでした。まだ聴いたことがないって方は是非体験してみてください。俺は、こんなすごいアーティストがいたって事を忘れない。